日本における牡蠣の産地(6):北海道【随時更新まとめ記事】
北海道の生産量
北海道は1980年台まで生産量は100トンを超える程であったが、垂下式養殖の普及に伴い、近年は600~700トン程度までの安定生産を達成しています(むき身換算)。既に的矢ブランドで有名な三重県を数量で上回っています。
※むき身換算に生産量についてまとめた参考サイト:広島市水産振興センター
北海道の牡蠣について
その特質は次のとおりです。
①北海道全域ではなく産地が一部地域に集約している
②量販向けではなく、ブランド化がはかられている
③ホタテ養殖との混合で、漁業経営の安定がはかられている
北海道における牡蠣産地
厚岸(あっけし)に代表される北海道太平洋岸東部で6割、オホーツク海側の汽水湖であるサロマ湖周辺で3割の生産が行われています。その理由は、北海道は3,000㎞もの海岸線を誇りますが、牡蠣の垂下式養殖に適した静謐海域が、意外にも限られているからです。
牡蠣のブランド化について
それゆえ、北海道においても生産量ではなく、高品質の牡蠣を生産・出荷することによる価値向上が目指されています。例えば、厚岸町および漁協では、「カキえもん」をはじめとした複数の銘柄を先駆けて展開してきました。
ところが、東日本大震災の影響で、宮城県産の種苗の入手が困難になってことを受けて、地場採苗の厚岸生まれ、厚岸育ちの牡蠣養殖が目指されました。生産者をはじめとした関係者の努力によって生まれたブランドが「弁天かき」です。
弁天かきは、カキえもんなどの従来のブランドよりも規格が大きく設定されていて「身がふっくらと大きく、旨み成分であり体内エネルギーの源となるグリコーゲンやアミノ酸が多く含有され、口いっぱいに牡蠣の甘みを感じる芳醇な牡蠣」とされています。
ホタテ養殖との関係について
北海道において、ホタテ養殖は20~40万トンの莫大な生産量があります。北海道においては冷水に適したホタテ養殖がメインであり、牡蠣養殖は、漁業経営の安定のために複合的に行われている傾向があります。
もっとも、地球温暖化の影響により水温上昇がみられるなど海洋環境も変化しています。他の漁業においても北の魚ではなかったブリやサワラが獲れるようになるなど、漁獲量として可視化されつつあります。牡蠣はどちらかというと広島に代表される「西日本の貝」という印象がありますが、今後は北海道におけるホタテと牡蠣の養殖割合も緩やかにシフトするのかもしれません。
※参考サイト:東洋経済オンライン 北海道「サケ獲れずブリ豊漁」で漁師が落胆する訳北の「海の幸」の構図に異変、背景に温暖化も
※参考サイト:ビジネス+IT 貝殻が地球を救う? 日本人が最も食べる貝「ホタテとカキ」に熱視線
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