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日本のおける牡蠣の産地(1):広島県【随時更新まとめ記事】

いろいろな牡蠣養殖の産地がある

 

日本における牡蠣養殖の産地を随時まとめます。

牡蠣と言えば、広島県という印象がありますが、各々の産地で様々な特徴と工夫が行われています。

 

生産数量は、広島県、宮城県、岡山県、兵庫県、岩手県、北海道、三重県、福岡県、石川県の順番です。そのうち広島県がほぼ60%を占めており、かなり集中している実態があるのは事実です。

 

 

 

広島で牡蠣の養殖が盛んになった理由

広島かきについては、ウィキペディア「広島かき」にかなり詳細に記述されています。深く知りたい方はそちらをご確認ください。以下は販売および消費者目線からの要点・ポイントになります。

 

 

日本の牡蠣養殖は16世紀に現在の広島から始まりました。もともと広島湾はアサリの産地でした。漁民がアサリを採取する場を篊(ひび)という竹の柵で囲っていたところ、そこに付着した牡蠣のほうが高く売れることを気づいたのです。そこから、現在につながる養殖へと進展したと推測されています。

 

広島で牡蠣養殖が盛んになった理由は、地理的な理由が強調されます。

 

ウィキペディアにも記載されていますが、主に①穏やかな地形・風波・潮流②温暖な気候と牡蠣が好む水温変化③太田川をはじめとした河川水の影響による薄めの塩分濃度④中国山地から河川を通じて安定供給される植物プランクトンなどの栄養素 などから説明されます。

 

 

広島かきの生産数量や有名な地域

 

現在でも、むき身にした数量(むき身換算)で約20,000トン生産されており、国内シェアが1位です(全国の62.9%)。そのうち生鮮向けが4割の8,000トン、残り6割が加工用12,000トンの割合です。広島産の牡蠣は、相対的に加工用が多いという印象を与えますが、加工用を含めて母数が圧倒的であるがゆえに、生鮮向けの優れた牡蠣を選別集荷することも可能になります。

 

生鮮向けというのは生の状態(生食用と加熱用)で出荷されるものを意味します。市場で売っている、むき身の牡蠣や、スーパーに塩水に浸された状態でパックされた牡蠣が、この生鮮向けです。他方、加工用というのは、冷凍、エキス、干し牡蠣、缶詰やカキフライなどの加工品に使用される牡蠣です。

 

良質な牡蠣が養殖される海域として、宮島、地御前、江波、江田島、呉といった地域が有名です。

 

 

広島かきの信頼性はどこから?

 

牡蠣生産の6割を占め、県内外に及ぶ影響も大きいため、生産流通に関して厳格な規制が敷かれています。そのことが結果として広島県産かきの安定供給とブランド化の背景となっています。特に、広島県による①生食用かきの海域指定と②「生かき取扱いに関する指導要領」 が重要です。

 

生鮮向けは生食用と加熱用に分かれ、両者の違いは鮮度の違いではない点は、先に取り上げました。

※ひろゆきさんが加熱用かきと生食用かきについて語っていました。

 

 

生食用かきへの厳格規制

 

広島県においては、生食用カキ規格厳守のため、生食用として出荷できる海域を3つに分けています。

 

指定海域、条件付指定海域、指定外海域の3つです。

 

生食として出荷できる指定海域(清浄海域)、人工浄化(20時間換水)することで生食として出荷できる条件付き指定海域、加熱調理しか出荷できない指定外海域、を設定しています。そして、この海域指定をするために各海域の海水と牡蠣のサンプリング調査を実施し、タイムリーに衛生状況を把握しています。

 他方で、生産者や出荷者の側でも、海域ごとのノロウィルス自主検査を毎週実施することで、ダブルチェックの機能を果たしており、結果を公表し陽性であった場合の対応行動を定めています。

※広島県におけるかき衛生対策について

 

「生かき取扱いに関する指導要領」に洗浄する際の塩分濃度の規制がある

 

「生かき取扱いに関する指導要領」によって採取から輸送、洗浄、出荷に至る保存温度、容器などについて細かい指導がなされています。ただ、特に留意すべきは第1総則、3 用語の定義 、(5)人工海水 において「水道水又は飲用適の水に食塩を加え,塩分濃度2%以上に調整した塩水をいう」と規定されている点です。要するに洗浄などの過程において使用する水の塩分濃度まで指導しています。

 

 これは塩分濃度の薄い水や真水を使用すると、浸透圧により牡蠣が膨らむことで歩留まりを上げることができ、消費者を欺くことを防止する趣旨と考えられます。 この規定は、広島かきの価格的な競争力を失わせているという指摘もあるのですが、長期的にみて信頼性を担保する極めて重要な規定と言えます。

 

 

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