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海のミルクと言われる牡蠣の栄養について:【随時更新まとめ記事】

なぜ牡蠣は「海のミルク」と言われるのか

 

日本においても、結核などの重病を治すのに良いという意味で「寝汗をかいたら寒の牡蠣を食わせろ」との金言があります。それだけ牡蠣の栄養価が高いことは経験的に知られていました。

 

 

ここでは、その具体的かつ科学的根拠は何かについて、簡潔にその内容をまとめてみたいと思います(含有量については、断りがないかぎり100gあたりの含有量)。他の食材との比較において、牡蠣の凄さが表われるのは次の4つの栄養成分+アルファです。

 

それは、①亜鉛 ② マグネシウム ③グリコーゲン ④タウリン です。その上でさらにプラスアルファとして、⑤鉄やビタミンB12についても数値的に豊富に含まれている、それが牡蠣の栄養価的な特長です。牡蠣は、天然由来のマルチビタミンのような存在なのです。

 

 

①亜鉛について

 

牡蠣は亜鉛を多く含む食品として知られています。ミネラルである亜鉛が栄養素として注目され始めたのは近年のことですが、『日本人の食事摂取基準』においても摂取基準が設定されている微量ミネラルです。

 

亜鉛は牡蠣に14.0㎎(100gあたり)含まれています。多いと言われるしじみ(2.3㎎)と比べても圧巻の数値です。

 

日本人において亜鉛は平均必要量に達していない代表的な栄養素のうちの一つです。

 

※公平を期せば、しじみはカルシウムとビタミンB12の含有において突出して優秀な食材であり、鉄分についても牡蠣よりも多く含有しております。

 

 

【たんぱく質合成】たんぱく質を合成する亜鉛は、そもそも髪や肌、爪などの構成するたんぱく質を合成するのに必要なことがわかっています。栄養機能食品として許される表示に「たんぱく質・核酸の代謝に関与して」と書かれる所以です。特に爪や髪は新陳代謝が早いペースで行われるため、亜鉛の摂取はそれらのトラブル防止につながる可能性があります。

 

【味覚の健康維持】同じく「亜鉛は、味覚を正常に保つのに必要な栄養素」とあるように、亜鉛が不足すると味覚障害になると言われます。毎日の飲食で、舌にある味覚を感じる器官である味蕾は損傷され続けています。たんぱく質の合成する力が弱まれば、味を感じる受容器官=味蕾の力も減退してしまうのです。

 

【セックスミネラルとして】さらに、亜鉛はセックスミネラルと言われています。男性は体内で3gほど亜鉛を保持しているのに対し女性は2gとされています。その理由は、精液に亜鉛が大量に含まれているからです。精子にはDNA情報が大量に書き込まれており、その合成にも亜鉛が不可欠なのです。

 

【亜鉛と免疫力】亜鉛が十分に身体にあると風邪や感染症にかかりにくくなると考えられています。粘膜を保護するビタミンAを体内にとどめる役割が亜鉛にあることがわかっており、喉の痛みや鼻詰まり、鼻水といった症状を緩和することに繋がります。病気を引き起こす細菌ウィルスを撃退する白血球にも亜鉛は含まれているのです。表示にいう「皮膚や粘膜の健康維持を助ける」ということの意味性はここにあります。

 

参考サイト:厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』

関東中央病院ウェブサイト「亜鉛について」

参考文献:畠山重篤『牡蠣礼賛』文春新書

 

 

栄養機能食品として許された効能表示
令和の広島かきは、亜鉛に加えてビタミンCについても栄養機能食品としての基準をクリアしている点がポイントです。

 

 

 

 

②マグネシウムについて

 

マグネシウムは、『日本人の食事摂取基準』において摂取基準が設定されている5種の多量ミネラルの一つです。体内に約25gほど骨や筋肉などを中心に存在しています。

 

そして、牡蠣にマグネシウムは、100gあたり65㎎含まれます。藻類のわかめと同等の含有量があり、これもやはり食材として突出しているのです。「令和の広島かき」の牡蠣エキスのパートナーとして調合されているクロレラも、野菜類としては2位のマグネシウム含有量を誇っています(5㎎/100g)

 

マグネシウムには、カルシウムと同様に骨や歯を形成するのに必要なだけでなく、様々な酵素に働きかけることでエネルギー産生を助ける効果があります。近年、高血圧や糖尿病の発症と重症化予防も示唆されていることから、まさに注目のミネラルと言えます。

 

摂取過剰には注意が必要ですが、亜鉛などと同様に日本人の推定平均必要量に全く達していないというのが現状なのです。

 

 

③グリコーゲンについて

 

【グリコの由来】グリコーゲンは、江崎グリコの社名の由来となった栄養成分です。創業者の江崎利一さんと牡蠣のグリコーゲンとの出会いから生まれた社名と書かれています。グリコとは、栄養不足に苦しむ子どもたちを思いキャラメルに牡蠣エキスを入れた商品であったのですhttps://www.glico.com/jp/health/contents/glicogen/

 

【グリコーゲンとは?】陸上選手のイメージ、まさに瞬間的に力が求められるときに役に立つのがグリコーゲンです。筋肉だけではなく脳のエネルギーにもなり、勉強や仕事の集中力を高めたいときにも有効と言われています。空腹時の血糖値の維持する際にも、グリコーゲンが体内で活用されます。

 

【グリコーゲンの効能】グリコーゲンは、多数のブドウ糖が複雑につながった多糖類です。「動物デンプン」とも呼ばれています。まさに力であり、エネルギーに変わる栄養素で、肝臓や筋肉に貯蔵されます。牡蠣の糖質の半分はグリコーゲンであり、運動や知的活動において瞬発的なエネルギーを必要とする人にはぜひ蓄積しておきたい栄養成分です。

 

人間のエネルギーの貯蔵手段として、他に脂肪やアミノ酸がありますが、グリコーゲンは酵素なしでも直接的ブドウ糖に分解されて力に変換する点で、重要な違いがあります。変な比喩ではありますが、いざという時にすぐに立ち上がるパソコン、そうでないパソコンでは仕事量に雲泥の差が生じます。人間においてもすみやかにオンの状態になるためにはグリコーゲンの有無が鍵になるのです。無酸素状態で一気に加速するこのイメージは、干潮に海水のない晒されて鍛えられ、生き残る牡蠣の稚貝の生きざまと重なります。

 

【新たな可能性】また、近年では認知機能向上の点でもグリコーゲンの新しい効果が認められるデータが得られました。4週間にわたり、グリコーゲンを口から摂取した人たちとそうでない人たちでは、長期の記憶の点で前者に優位性が確認されたとのことです。たしかに、そう言われると牡蠣関係者の中で、認知症になったと言う話はあまり聞かないのも頷けることです。

 

※プレスリリース 江崎グリコの名前の由来となった”グリコーゲン”に新発見 グリコーゲンの経口摂取により認知機能が向上 意外と知られていないグリコーゲンの可能性

 

 

 

 

 

 

 

④タウリンについて

 

【わかりにくいタウリン】湿気が高く30度を超えるような温度上昇、秋を通り越して急激に寒さを感じさせる気候の変化、そういうときに身体全体がけだるくなり、四肢に力が入らなくなりませんか。身体が周りの環境の変化についていけない感覚に襲われます。

 

栄養ドリンクに含まれているイメージが強いタウリンが機能するのは、その時です。タウリンは人間がもつ調整機能をサポートをします。自律神経の乱れを修正するのです。そうは言っても他の栄養素と違い、タウリンの機能性は調べてみると必ずしも判然としないものがあります。諸々の解説でも、効能の列記にとどまり明確な説明がないと印象があります。著名なテレビCMの即効的な爆発力、回復力を想起させるイメージでよいのでしょうか?

 

【タウリンの含有量と効能】書物によると、食材におけるタウリン含有量は次のようになり、食材 100g中に含まれるタウリンの含有量(mg)を比較データです。

 

・牡蠣:1,130mg

・ほたて:769mg

・あさり:664mg

・たこ:520mg

・たら:300~450mg

・いか:350mg

・ひらめ:171mg

・くるまえび:150mg

・かつお:80mg

・めばる:30mg

・いわし:20mg

 出典:「コレステロールを下げる100のコツ」辻啓介主婦の友社 (2004/1/1) 

 

タコなどもタウリンを含んでいると語れることも多いのですが、牡蠣の半分。牡蠣は、他の食材に比べてタウリンにおいても突出しているのです。

 

一般的には、疲労回復、筋肉収縮能力の向上、胆汁酸の分泌を促成し肝臓の働きを促す作用など、いろいろな効果がタウリンについて語られます。

 ただ要諦は、タウリンが持つホメオスタシス作用という身体の同一性維持機能にあります。どちらかに偏ったときに調子を整えるバランサーとして活躍します。すなわち、それは「体内の状態を一定に維持できるように調節する機能」であり、「例えば、外の暑さや寒さなど、体外の環境に左右されずに体温や血圧が一定に保たれるのはこの機能が働いている結果」なのです。「タウリンは、ホメオスタシス作用をもっており、体内の機能が働きすぎることを制御したり、機能が低下した時には改善させたりするなど、ヒトの身体が常に一定の生理作用の中で動くようにバランスをとっています」(大正製薬のホームページより)。

 

効能理解にわかりにくさが残りますが、熱さや寒さで眩暈やだるさ、悪寒があるようなときは、試みに牡蠣を食べることをおすすめいたします。筆者の実感からしても、身体が驚くほど楽になる気がいたします。

 

 

 

⑤その他の栄養成分について(工事中)

 

 

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