牡蠣を含む水産物のPFAS調査を農水省が公表――数字の読み方と注意点
2026年9月11日、農林水産省が国産農畜水産物に含まれるPFAS(有機フッ素化合物)の調査結果を公表しました。今回の対象には、マガキをはじめ、魚類、ホタテガイ、ワカメ加工品など11品目の水産物が含まれます。
「検出された」という言葉だけで不安になりがちな話題ですが、検出の有無、実際の濃度、食事全体からの摂取量は別の情報です。公表資料に沿って、結果の読み方と、まだ分からないことを整理します。
何を、どのように調べたのか
農林水産省は、国内で流通する農畜水産物29品目について、PFOS、PFOA、PFHxS、PFNAの4種類を測定しました。水産物はマサバ、マダイ、ギンザケ、クロマグロ、ブリ、ニジマス、マゴイ、アユ、ホタテガイ、マガキ、ワカメ加工品の11品目です。
また、2024年度と2025年度に調べた計37品目について、各品目の濃度の中央値と平均的な一日当たりの消費量を使い、PFOSとPFOAの摂取量を推計しました。これは調査対象の食品群に基づく推計で、個人の食事記録や、特定の商品・産地を評価したものではありません。
公表された数字が示すこと
11品目の水産物では、測定した4種類のPFASのいずれかが検出され、品目によって濃度に大きな幅が見られたと報告されています。「検出」は直ちに健康への影響を意味するものではなく、濃度と摂取量を合わせて見る必要があります。
37品目からの平均的な一日当たりの推計摂取量は、体重1kg当たりPFOSが0.13ng、PFOAが0.09ngでした。食品安全委員会がそれぞれについて設定した耐容一日摂取量(TDI)20ng/kg体重/日と比べると、PFOSは0.65%、PFOAは0.45%です。この比較はPFOSとPFOAの2物質についてのもので、測定した全4物質やすべてのPFASについての評価ではありません。
- マガキを含む11品目の水産物が調査対象になった
- 「検出の有無」と「摂取量の評価」は別の段階
- 37品目の推計は、食品全体や個別商品の安全性を証明するものではない
- 農林水産省は対象品目を広げ、調査を続ける方針
結果を個別の牡蠣や産地へ当てはめない
37品目は、食品全体の消費量のおよそ5割に相当するとされています。未調査の食品や飲料水など、すべての摂取源を網羅した数字ではありません。また、濃度には品目や試料ごとの差があるため、今回の平均値だけから、広島県産の牡蠣、特定のロット、当社の商品について個別に結論を出すこともできません。
農林水産省は、特異的に高い値が見られた試料の要因を調べ、未調査品目にも対象を広げるとしています。食の安全に関する情報は、調査範囲と分析方法を確かめながら、更新された一次資料を追うことが大切です。
水産物を選ぶときに
農林水産省は今回の結果を踏まえ、さまざまな産地で水揚げされた多様な品目をバランスよく食べることを勧めています。一つの調査結果だけで特定の食材を避けたり、反対に「絶対に安全」と言い切ったりせず、食品の表示や公的機関の最新情報を確認しましょう。
牡蠣をめぐる環境や食文化については、当サイトの牡蠣の生産環境を考える記事と牡蠣と食卓を考える記事もあわせてご覧ください。
一次情報
この記事は公的調査結果の解説であり、特定の商品・産地の安全性を保証するものではありません。