合同会社イシュメイル

海水中のRNAでプランクトンの「見えない死」を測る|海の食物網とオキアミを考える

海の中では、目に見えないほど小さな生物が増え、食べられ、そして死んでいきます。ところが、特定のプランクトンが自然界でいつ、どの程度死滅しているのかを測ることは簡単ではありません。

京都大学、水産研究・教育機構、高知大学などの研究グループは2026年9月、海水中に放出されたリボソームRNA(rRNA)を手掛かりに、植物プランクトンの細胞が壊れて死滅する「細胞溶解」を推定する新しい手法を発表しました。海の物質循環を、これまで見えにくかった「死」の側から捉える研究です。

暗視野顕微鏡で観察した南極海の多様な珪藻
南極・マクマード湾の海氷中に生息していた珪藻の顕微鏡写真(今回の実験で使用された個別株そのものではなく、海洋珪藻の参考写真です) 写真:Prof. Gordon T. Taylor/NOAA Corps Collection、Public Domain via Wikimedia Commons

細胞が壊れたときに海水へ出るrRNAを測る

rRNAは、細胞内でタンパク質合成を担うリボソームを構成するRNAです。研究グループは、ウイルス感染などによってプランクトンの細胞膜が壊れると、細胞内のrRNAが海水へ放出されることに着目しました。

珪藻とラフィド藻という2種類の植物プランクトンを使った実験で、海水培地から細胞外rRNAを抽出し、デジタルPCRで定量。海水中でrRNAが分解される速さも測り、放出量と分解量の両方を考慮して細胞溶解の速度を推定しました。

研究発表の主なポイント

  • ウイルス感染によって、細胞外rRNAの生産速度が非感染条件に比べて最大約46倍、約302倍に増加
  • 見かけ上は細胞数が増えている時期でも、活発な細胞溶解が同時に進んでいた
  • 生きた細胞の数だけを見る調査では捉えにくい、海中への有機物供給を推定できる可能性が示された

つまり、プランクトン全体の数が増えているからといって、死滅が起きていないとは限りません。増殖と死滅が同時に進む海の動きを、別々に観測する道が開かれたことが今回の重要な点です。

小さなプランクトンの死が、海全体を動かす

植物プランクトンは光合成によって有機物をつくり、海の食物網の出発点になります。その細胞が壊れると、内容物の一部は海水中の溶存有機物となり、細菌などに利用されます。別の一部は粒子として沈み、海の炭素循環にも関わります。

魚やクジラのような大きな生物だけを見ていても、海の状態のすべては分かりません。顕微鏡でしか見えない植物プランクトンと、さらに小さなウイルスとの関係が、餌環境や物質循環を通じて生態系全体につながっています。

植物プランクトンからオキアミ、魚、クジラへ

今回の研究対象は植物プランクトンで、オキアミそのものではありません。オキアミは動物プランクトンの仲間であり、植物プランクトンなどを利用し、魚類、海鳥、アザラシ、クジラなど多くの動物の餌になります。

「植物プランクトン → 動物プランクトン → 魚や海生哺乳類」というつながりは、実際には単純な一本線ではありません。それでも、海の恵みが微小な生物の生産と循環から始まることを知ると、オキアミや魚由来の素材も、海の食物網の中で捉え直すことができます。

研究の範囲に注意:今回の成果は、培養実験をもとに植物プランクトンの細胞溶解を測る方法を示したものです。漁獲量の予測、オキアミ資源の評価、食品やサプリメントの有効性を直接示す研究ではありません。

海のつながりを意識したMOBY DICKの原料設計

合同会社イシュメイルのMOBY DICK(モビーディック)は、オキアミオイル、フィッシュオイル、MCTを組み合わせたサプリメントです。海の食物網をめぐる今回のニュースを、原材料の由来や配合表示に目を向けるきっかけにしていただければと思います。

配合原料と表示量は、当サイトのMOBY DICKの配合設計で確認できます。オキアミとEPA・DHAの基礎は、オキアミオイルの解説記事でも紹介しています。

配合設計を確認するAmazonで商品を見る

本研究はMOBY DICKまたは配合原料の機能を評価したものではありません。サプリメントは食事の代わりではありません。原材料表示、摂取目安、アレルギー表示をご確認ください。

参考情報

本記事は2026年9月22日時点の公表情報をもとに、研究の概要を一般向けに整理したものです。

コメントは受け付けていません。

特集