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今期の牡蠣について

牡蠣が育たない

 

海が異常である。かなり前から懸念し言い続けているが、「現実」が現実化している。

 

ことしの○○(地名)は出来が良い、という話を聞かなくなった。あらゆる牡蠣の産地がおしなべて悪い。

 

宮城や長崎といった有名産地から悲鳴に近い声があがっている。

https://news.yahoo.co.jp/articles/557a3c0ece03b497ebac09d4c2cbd51b460611c9

 

https://news.yahoo.co.jp/articles/2b5e76445ac631cec1f044cb5992a72a400203a0

 

全国の過半を占める広島での収量低下のインパクトは、食の在り方に与えるインパクトも大きい。

秋の味覚の代名詞であったが、その地位も危ういものになりつつある。

11月末はおろか、今になっても胸を張れる牡蠣が出荷できない。大粒などは高嶺ならぬ高値の花である。

 

「もう牡蠣は珍味の仲間入りしている」。懇意にしているバイヤーの言葉だ。

 

 

栄養塩の供給という新しい試み

 

かつては、他産地との競争が激しく他産地の不漁を喜んだ時代もあっただろう。

 

しかし、今は趣が変わった。

 

他産地の不漁は、そのまま広島への需要の集中を意味する。いきおい牡蠣生産者からの仕入価格は暴騰する。

一見すると価格の上昇は、好ましいことかもしれない。価格が転嫁できればよいのである。

 

しかし、どのような身入りの牡蠣であってもいたずらに価格が高騰する場合は別である。

 

長期的にみれば、牡蠣の食材としての評価を下げることにつながるからだ。価値に見合わない食材とみなされかねない。実際、消費者の評価は素直だ。品質評価から、なかなか小売価格に反映しないのが実情であり仲買業者は高い仕入と安い売価の間で、苦悩せざるを得ない。

 

牡蠣が大きく育たない原因は、気象や海水温の上昇以外にも、海の栄養も関わっている。

 

牡蠣がエサとなる植物プランクトンそれ自体を生育に必要な窒素なリン等の栄養塩が不足していると言われている。

 

栄養塩は海域における栄養塩の主要な供給源は、都市排水や工場排水、降水や土壌からの栄養塩を含んだ河川水の流出による。要は生活の営みから、栄養塩は生まれる。

 

しかし、海を汚したきた産業化の反省から、現在の下水処理場の排水基準で処理すると、その栄養塩はほとんどいなくなってしまう。

 

広島県では、排水基準を緩和する運転をテストすることで、それが海の生態系にどのような影響を与えるかを調べている。広島のみならず瀬戸内の牡蠣養殖にとって、期待したい試みである。

 

 

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「合同会社イシュメイル」は、魚食の健康機能性を軸とした食文化の創造再生を理念とした会社です。現在、スーパーマーケット、生協、居酒屋チェーン、飲食店などのお客様に向けての様々なサポートを実践しております。また、「令和の広島かき」をはじめとした水産系素材のビタミンやミネラルといった栄養成分を活用したサプリメントの開発を行っております。

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