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牡蠣はマガキやイワガキだけじゃない?牡蠣の種類について【随時更新まとめ記事】

実は、ほぼマガキです。

 

オイスターバーに行くと、室津、仙鳳趾(せんぽうし)、まるえもん など色々な種類の牡蠣があるんだなと錯覚します。

 

実は、それらは全て同じマガキです。種類は同じ。マガキは、世界で最も広く養殖され、食用牡蠣の7、8割を占めています。レストランで見られる、それらの名前は、育てた産地や産地に由来するブランド名です。

 

養殖方法や海の環境によって味わいが微妙に異なりますし、同じマガキでも違う名前にしたほうがバリエーションが豊かに見えます。飲食店でも華やかさを演出することが可能です。

 

マガキは、病気に対する抵抗力が強く、牡蠣の大消費国であるアメリカとフランスにおいても主たる地位を占めています(日本のマガキの移植により、両国の牡蠣文化が守られた歴史があります)。

 

 

真牡蠣以外の牡蠣とは?

 

カキには海中に精子と卵子を放出して受精する①卵生型と、殻の中で受精する②幼生型があります。

 

①卵生型で食用にされているのは、マガキ、イワガキ、シカメ(クマモト)などがあります。

 

②他方、幼生型で食用にされているのは、ヨーロッパヒラガキ、オリンピアなどがあります。

 

 

イワガキ

 

初夏になると食するカキです。大きさがマガキの3倍程度あります。3%程度の塩分濃度の濃い場所に生息する外洋性のカキといえます。秋田県の象潟(さきかた)産がブランド品です。

 

受精のための抱卵・放精を複数回に分けて行うため身が保たれ、グリコーゲンも蓄えています。一気呵成に受精を行うマガキと違う点です。それゆえ、夏場でも食べられるのです。

 

しかし、天然イワガキの絶対量は少ない上に、大きな殻の個体になるには3年以上かかります。養殖するにしても自然採苗する難しさと効率が悪すぎるという問題があり、天然資源の枯渇が心配されています。

 

 

 

シカメ(クマモト)

 

19世紀末に牡蠣の収量が激減したアメリカにおいて、種牡蠣の出荷が日本から行われていました(主に宮城種の種牡蠣)。ところが、第二次世界大戦直後は、ミヤギ種の十分な出荷ができなかったために試験的に熊本県に自生していた牡蠣の種を出荷したことから発展した種です。

 

成長が遅く、殻は5センチ程度で身も小さい牡蠣であるため日本人には不人気でした。ところが、アメリカでは逆でした。小さく繊細でほのかな味わいがアメリカで絶大な人気を得ることになり、今では「クマモト」と称されるまでに至ったのです。カクテルなどに入れる在来種オリンピアと似ていたのです。

 

今では逆輸入され日本のオイスターバーにおいても食することができます。ただ日本においては生産性の低い種である「クマモト」の商業ベースの養殖はほぼ行われておらず、試験的な生産が行われているにとどまっています。

 

 

 

ヨーロッパヒラガキ(ブロン)

 

ヨーロッパヒラガキは、ブロンとも言われます。かつてフランス、ブリュターニュ地方のブロン川河口が産地であったことから由来する名称です。

 

メス牡蠣が精子を取り込み、殻の中で受精する幼生型の牡蠣の代表であり、ヨーロッパでもともと牡蠣といえば、これを意味します。

 

形状はその名の通り平たいカキです。

 

またマガキとは異なり身が太らないのでクリーミーな濃厚さを感じるものではなく、むしろカキの鉄のような味と弾力のある硬めの食感を味わいます。それ自体の味を楽しみというより、身を口に含みながらワインやシャンパンといったアルコールと合わせて食べるのが乙(おつ)とされます。

 

フランスでは、太った牡蠣はミルクっぽいと嫌われます。カキの味は外套膜や貝柱にこそあると考えられています。

 

ただ、このヒラガキは、①ポルトガルガキの繁殖や病気の流行により数が激減してしまいます。ポルトガルカキは、大航海時代のバスコ・ダ・ガマらの船底にくっついてフランスに移入してきたとされています。さらに、②このポルトガルガキも1960年代に病気で壊滅するなどの悲劇がおこります。結果として、③70年代に日本由来のマガキの稚貝が移植されることでフランスの牡蠣産業は復興した歴史があります。

 

それゆえ、現在ではフランスの牡蠣養殖の主体は日本から移植されたマガキになっているのが実際です(マガキ13万トンに対してヒラガキ1500トンと、全体数量の約1%程度の生産量となっていて希少なカキといえます)。

 

 

 

オリンピア

 

アメリカ西海岸特産の種類です。

歴史的には、ワシントン州のウィラパ湾とピュージェット湾において自然分布が多いとされ、州都のオリンピア市の名から、オリンピアオイスターと名付けられました。

 

大きさは500円硬貨ほどにしかならず、大ぶりの身を望む日本人には受けるものではなかったが、味が良く彼の地ではグルメな牡蠣として扱われています。日本における牡蠣養殖の父とされる宮城新昌がピュージェット湾において最初に養殖を手掛けた種も、このオリンピアです。

 

19世紀末からの乱獲と都市開発による汚染により、オリンピアガキの生産量は激減し、今では極めて少ない数量の生産量に落ち込んでおり、回復はままならない状態にあります。

 

 

 

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