合同会社イシュメイル

鯨肉はなぜスーパーで見つけにくいのか|流通と売場づくりの課題

「鯨肉を食べてみたいが、近所のスーパーでは見つからない」という声があります。商業捕鯨が行われていても、すべての地域で鯨肉が日常的に並ぶわけではありません。その背景を、流通と売場の視点から整理します。

地域によって需要と食習慣が異なる

鯨肉を食べる習慣は全国で一様ではありません。沿岸捕鯨の歴史を持つ地域や、学校給食などを通じて親しんだ世代が多い地域では売場を作りやすい一方、食べ方が知られていない地域では定番商品になりにくい傾向があります。

スーパーは限られた売場で販売回転を重視します。購入者の見込みが読みづらい商品は、常設よりも催事、年末、地域フェアなどの限定販売になりやすくなります。

部位と調理法の説明が必要

一口に鯨肉といっても、赤肉、ベーコン、さらし鯨など商品はさまざまです。初めて買う人には、部位の違い、解凍方法、加熱の要否、合う料理が分かりにくく、価格だけを表示しても購入につながりません。

「刺身向け」「竜田揚げ向け」「解凍して薄切り」など、利用方法を具体的に示す売場づくりが重要です。小容量化やレシピの提示も、初回購入の心理的な負担を下げます。

冷凍流通と販売機会

鯨肉は冷凍品として扱われることが多く、温度管理、解凍後の販売計画、在庫回転を考える必要があります。そのため、常時陳列だけでなく、予約販売、専門店、飲食店、オンライン販売など複数の経路が役割を担っています。

見つけにくいことは、鯨肉が存在しないことを意味しません。消費者と商品を結ぶ情報や販売機会が、まだ十分に整っていない地域があるということです。

大手小売・通販モールの取扱方針も影響

鯨肉が見つけにくい背景には、需要や売場効率だけでなく、大手企業の取扱方針もあります。Amazonの制限対象商品に関する規定では鯨肉・鯨肉加工品などが禁止対象として記載され、楽天市場の出店案内でも「鯨、イルカの部位を用いた製品」が取扱禁止商材に挙げられています。合法的に流通する国内産鯨肉であっても、これらのモールでは販売経路を確保できません。

実店舗についても、各社がそれぞれの商品政策、地域需要、売場効率、取引条件などを踏まえて採用を判断しています。イオングループのほぼ全店舗・全関連会社に共通する現在の公式方針は、公開資料では確認できないため、本記事ではグループ全体の一律禁止とは断定しません。

環境団体への対応と卸売段階の慎重姿勢

共同船舶の担当者はAP通信の取材に対し、大手スーパーが反捕鯨団体からの抗議を避けるため鯨肉の取扱いに慎重である、という趣旨を説明しています。こうした企業側の評判リスクへの警戒が、売場採用を難しくしているという業界側の見方があります。

卸売段階でも、大手企業が取扱いに慎重であれば、全国規模の小売網へ商品を届ける機会は限られます。ただし、特定の財閥系卸売企業が環境団体からのクレームを理由に取組を拒んでいる、という点については、当該企業の公表資料などで確認できていません。本記事では、個別企業の動機を断定せず、流通各段階で慎重な判断が重なっている構造として整理します。

取扱方針に関する資料

イシュメイルが目指すこと

合同会社イシュメイルは、鯨肉の背景や食べ方を分かりやすく伝え、販売店と生活者をつなぐことが、鯨食文化を次へつなぐ一歩だと考えています。

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※2026年8月22日時点の公表資料をもとに再編集しました。

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