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2021-05-27 17:37:00
牡蠣は加熱用のほうが栄養価が高く濃厚で美味いのは、業界の常識です。また、生食用と鮮度で劣るわけでもないです。

いまだに、いろいろな宣伝で、生食用の牡蠣のほうが旨く鮮度がよいという情報が垂れ流されています。

 

しかし、その認識は誤りです。

 

加熱用のほうが栄養価が高く濃厚で美味い牡蠣であることは、実は業界の常識です。

水揚げから出荷までのスピードは同じか、工程が少ない分むしろ加熱用のほうが市場に到着するのは早いことも。

 

 

牡蠣は河口から流れ出る植物プランクトンを栄養として、大きくなります。それゆえ、河口近くの限られ、かつ閉じられた海域こそ濃厚で旨味のある牡蠣ができます。米分一・カネウが得意とする宮島海域(西部海域)や江田島、能美島の北部(いわゆる中部海域)、本社がある牡蠣打ち通りに隣接する江波(北部海域)といったあたりを、各水産バイヤーが狙ってくるのも理由があります。

 

 

もし本当に生食用のほうが濃厚で美味いのであれば、スーパーマーケットで加熱用の居場所はないし、売る必要はありません。牡蠣フライも生食用で作ればいいのです。

しかし、バイヤーも加熱用のほうが明らかに美味いことを知っているからこそ、加熱用を意識的に置いています。もちろん、スーパーマーケットにとっての価格的なメリットもあります。しかし、宮島海域指定の中粒かき以上になると加熱用であっても価格は高いです。小田急線沿線のスーパーさんにあっては、加熱用の大粒に関しては、あるだけの供給を求められることも。

 

 

生食用の海域は、プランクトンが少ない分だけ、水質が澄み切っており栄養が少ない海域です。牡蠣も大きくなりにくいのです。逆にいうと、その分だけ牡蠣の生食でお腹が痛くなる原因であるノロウィルスのリスクが低くなります。生食用の指定海域とされる所以です。さらに市販されている生食用かきは水揚げされてから、加工業者において約24時間の殺菌工程、すなわち清浄水において呼吸をさせられています。その時間がかかる工程も旨味がにげる要因となっています。

 

 

米分一・カネウグループでも一部で生食用出荷をやっておりますが、検査の徹底を前提にして清浄海域でも良質なものを厳選しています。それも内臓のウィルスを吐き出しやすい小粒のかきを敢使用します。知る人ぞしる限定品として出荷しています。

ただ、出荷先である大手スーパーでは、あらゆるリスクを排除する視点から、生食用の牡蠣自体をやらないという選択も増えてきています。

 

 

関連情報:「痩せる瀬戸内海 「栄養」が減り透明化がすすむ」中国新聞デジタル、瀬戸内海「きれい過ぎ」是正 水域設け対策、漁業影響防ぐ―法改正へ・環境省 時事通信、きれいすぎる海でいま何が NHKニュースなど。

 

 

 

また、ついでいうと広島産牡蠣と瀬戸内全体の牡蠣を原料として一緒くたにして扱う傾向も問題です。

亜鉛入りサプリメントである「令和の広島かき」は原料を広島産のみに限定しています。当然、これには理由があります。

それは牡蠣一般の話として広島がなぜ全国の牡蠣生産量の6割を占める産地になっているのと同じ理由です。

詳細を書くことはできませんが、一つには太田川からの栄養の流れと広島湾の閉じられた構造が牡蠣の成長に劇的な効果をもたらすのであり、すべて産地の牡蠣を同じに扱うのはフェアではないと考えるからです。瀬戸内でも兵庫県や岡山県の牡蠣にはそれぞれ別の優位性があるのも事実です。

 

 

参考資料:瀬戸内海の3つの地域で養殖されたマガキ含有成分の季節変動および養殖地域による違い

目的】 牡蠣はミネラル類、タンパク質やグリコーゲンなどを多く含み、エネルギー源としても優れている二枚貝の一種である。牡蠣は養殖地域や季節によって成分含有量の差が大きいことはよく知られているが、これまで同じ瀬戸内海沿岸の異なる地域で養殖されたマガキ含有成分量の違いについて報告された研究例は見当たらない。本研究では、瀬戸内海のマガキ含有成分の季節変動および養殖地域による違いを解析し、瀬戸内海のマガキの特徴を明らかにすることを目的とした。 <br> 【方法】 2012年11月から2013年6月ならびに、2013年11月から2014年6月までの各月に水揚げされた岡山県産、広島県産、兵庫県産のマガキを試料とした。それらの重量、水分、タンパク質、脂質、灰分、グリコーゲン、亜鉛および脂肪酸組成を測定した。<br> 【結果】 マガキの水分含量は、三県産共に11月から4月にかけて減少傾向であった。タンパク質および灰分含量は、採集期間を通じて三県産共に大きな変化は見られなかった。脂質含量は、三県産共に11月から4月にかけて減少傾向であった。グリコーゲンは、11月から2月または3月まで増加傾向であったが、5月から6月にかけて大きく減少した。養殖地域で比較すると広島県産は他二県産と比較してグリコーゲン含量が少ない傾向であった。亜鉛含量は、広島県産が他二県産に比べ多く含まれていた。脂肪酸組成は、11月から6月を通してEPA、DHA、パルミチン酸、オレイン酸の順に含有量が多いことが分かった。

 

 参考資料:広島湾北部地域で育成されたカキの栄養成分と養殖環境

 >瀬戸内地域食文化を担うカキのうち,広島湾北部海域で育成したカキの栄養成分を経時的に測定し,同時に記録した養殖環境との関係を考察した.【材料と方法】① 2012 年 11 月〜2014 年 5 月に広島湾の津久根島周辺で養殖された,通常出荷用マガキとその幼若マガキを用いた.水分,蛋白質,脂質,灰分の含有量を常圧加熱乾燥法,ケルダール法,ソックスレー法,直接灰化法で,亜鉛,鉄の含量を ICP 発光分光分析法で各々測定した.②養殖地点の海水温,塩分濃度,プランクトン量を測定するとともに,過去 11 年分のデータを利用した.【結果】①通常出荷カキの総エネルギーは 2012 および 2013 年シーズン平均で各々88.3±5.0,91.0±1.4kcal/100g となり,両シーズンとも 2 月が最高値を示した.炭水化物とZn が高値で推移した.②カキの亜鉛含有量は幼若より成熟カキで高く,その集積に年齢依存性を認めた.③養殖環境:筏直下底質の Zn は 275±25mg/kg で,底質からの溶出 Zn は 3±1μg/L であった.【考察】総エネルギー,炭水化物,Zn の含有量が両シーズンを通して国内,国際栄養データベースの値を上回り,広島湾北部海域で養殖された広島かきの食品栄養学的特徴として位置づけられた.②カキの Zn 集積性には年齢依存性を再度確認した.これらの情報を開示することが,広島かきの生産と消費,環境衛生および健康増進に寄与する.